ゴルトシュミット(Levin Goldschmidt)(読み)ごるとしゅみっと(英語表記)Levin Goldschmidt

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ゴルトシュミット(Levin Goldschmidt)
ごるとしゅみっと
Levin Goldschmidt
(1829―1897)

19世紀後半のドイツ商法学界を代表する学者。ハイデルベルク大学教授を経て、北ドイツ同盟高等商事裁判所の判事を務めたのち、ベルリン大学教授となり、在職中に没した。商法の研究に歴史的方法を取り入れ、その歴史的方法と解釈学的方法との融合をみごとに果たし、商法学の発展に寄与した功績は高く評価されている。彼の代表的な業績は、『商法提要』(未完成)の冒頭を飾る「一般商法史」であり、それは希代の傑作としての誉れが高い。そのほか、彼が刊行した『総商法雑誌』Zeitschrift für das gesamte Handelsrecht(略称ZHR)は、商法学の研究にとって不可欠の雑誌である。彼は学者のほか、裁判官としても活躍し、またドイツ統一運動と法の統一実現のためにも尽力したが、他方、ユダヤ人として人種差別問題に心を痛めたことが伝えられている。

[戸田修三]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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