サクソグラマティクス(英語表記)Saxo Grammaticus

改訂新版 世界大百科事典 「サクソグラマティクス」の意味・わかりやすい解説

サクソ・グラマティクス
Saxo Grammaticus
生没年:1150ころ-1220

デンマークの歴史家。フランスに学んだのちデンマークの大司教アブサロン秘書になる。大司教の依頼で彼がラテン語で書いた《デンマーク人の事績Gesta Danorum》は伝説的な先史時代から1185年のウェンド人屈服までを扱う16巻からなる。その伝説時代の部分は北欧神話英雄伝説(ハムレット伝説など)の宝庫であり,また歴史時代の部分は当時の政治法律経済宗教民俗などの研究にかけがえのない資料を提供している。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のサクソグラマティクスの言及

【デンマーク】より

…ガーナ,タンザニア,インドといった発展途上国にもこれをモデルとしたものができている。
【文化】

[文学]
 現存最古の作品は,キリスト教聖職者による教化作品を別にすれば,サクソ・グラマティクスの《デーン人(デンマーク人)の事績》である。これは伝説時代から1185年までのデンマーク王朝史で,ラテン語による男性的な民族文学と特徴づけられるが,その中には古代デンマークの英雄詩作(〈ビャルケのうた〉等)がかなりラテン語で再現されている。…

【ハムレット】より

…1601年ころ作,02年ころ初演。原話は北欧の民話で,12世紀のデンマークの史家サクソ・グラマティクスが書き記したものを基にしたフランス語の物語をシェークスピアが読んだ節はあるが,直接下敷きになったのは,1580年代末にロンドンで上演されて人気を呼んだ作者不詳の劇(《原ハムレット》と呼びならわされる。作者はT.キッドという説もある)であったと想像される。…

※「サクソグラマティクス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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