サポステ(読み)さぽすて

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サポステ」の意味・わかりやすい解説

サポステ
さぽすて

引きこもりやニートといった若者無業者就職を支援する機関の愛称。正式名称は「地域若者サポートステーション」。厚生労働省就労支援策「地域における若者自立支援ネットワーク整備モデル事業」に沿って、2006年(平成18)から設置が始まった。全国に約180か所ある。

 就労支援ノウハウをもつNPO法人や株式会社など民間事業者を厚生労働省が認定し、そこに事業を委託する仕組みである。ハローワーク公共職業安定所)、ジョブカフェのほか、学校・教育機関、発達障害者支援センターや精神保健福祉センターなどの福祉機関、都道府県・市区町村、民間支援団体などと連携。キャリアコンサルタントや臨床心理士らのカウンセリング、コミュニケーション・ビジネスマナー・パソコン・身だしなみ講座、就活セミナー、職業訓練、職場見学会、就業体験(ジョブトレ)、合宿型生活訓練などを通じて就労を支援する。利用対象は15歳から40代なかばまでで、仕事をせず、家事通学もしていない人。当初は34歳までを対象としたが、引きこもりやニートの高齢化に伴い、対象年齢を徐々に引き上げ、バブル経済崩壊後の就職氷河期に卒業した世代(40代なかばまで)も含めた。50代なかばまで拡大することも検討している。利用は原則無料であるが、臨床心理士の面談や合宿型訓練など一部に有料プログラムもある。保護者向けの子供との接し方講座や個別相談もある。総務省によると、15歳から44歳までの無業者は全国に約100万人(2016年度)。サポステ新規登録者は2018年度で1万6271人おり、うち就職や公的職業訓練につながった人は1万0104人であった。

[矢野 武 2019年11月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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