サミュエルソン(Bengt Ingemar Samuelsson)(読み)さみゅえるそん(英語表記)Bengt Ingemar Samuelsson

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サミュエルソン(Bengt Ingemar Samuelsson)
さみゅえるそん
Bengt Ingemar Samuelsson
(1934― )

スウェーデン生化学者。ハルムスタードに生まれる。ルンド大学で医学を、さらにストックホルムのカロリンスカ研究所で医学と生化学を学び、1960年に医化学の博士号、1961年に医学の博士号を取得した。同年にカロリンスカ研究所の助教授となり、1967年王立獣医大学の教授に転じた。1973年にカロリンスカ研究所の生理化学教授および化学主任教授となり、1978年に医学部長、1983年に学長となり1995年まで務めた。

 当初、コレステロールの代謝作用の研究を行っていた。1959年からはベルイストロームとともに、生理活性物質であるプロスタグランジン分子構造を決定する研究に従事し、不飽和脂肪酸のアラキドン酸からプロスタグランジンが生合成されるメカニズムを解明した。その後もプロスタグランジンの研究を進め、その誘導体であり、強い生理活性作用をもつトロンボキサンを発見、さらに同様の物質ロイコトリエンを発見した。1982年には「プロスタグランジンとこれに関連した生理活性物質に関する発見」により、ベルイストロームおよびイギリスの生化学者ベインとともにノーベル医学生理学賞を受賞した。

[編集部 2018年8月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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