サムナー(Charles Sumner)(読み)さむなー(英語表記)Charles Sumner

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サムナー(Charles Sumner)
さむなー
Charles Sumner
(1811―1874)

アメリカの政治家。ボストン生まれ。ハーバード大学(1830)、同ロー・スクール(1833)卒業後、弁護士を経て母校教鞭(きょうべん)をとる(1835~37)。渡欧(1837~40)後、一貫して奴隷制拡大に反対し、自由土地党創立を援助し、議員候補者になった。1851年にアメリカ上院に選出され、57年には共和党から再選され、生涯その地位にあった。厳しい南部批判をしたために奴隷制度擁護者の憎悪を買い、南部議員に議場で襲われ、障害者となった(1856)。南北戦争中、リンカーンの甘い政策を絶えず批判し、戦争遂行合同委員会を設け、北部産業資本の立場をとる共和党急進派幹部のなかでも、もっとも黒人の立場にたち、奴隷解放と黒人の戦争従軍の権利を要求。戦後再建においても、黒人に白人と同等の選挙権を即時無条件で与えるよう徹底して主張したが、72年の大統領選で共和党が分裂した際、グラント再選に反対し、民主党も推したリベラル共和党のグリーリーを支持した。

[竹中興慈]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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