サラム,A.(読み)さらむ

世界大百科事典(旧版)内のサラム,A.の言及

【統一場理論】より

…このような統一場理論としては,その後,アインシュタインも含めて多くの人々が諸種の理論を試みたが,物理的立場からみて説得性のあるものとはいいがたいものであった。 一方,1954年にはC.N.ヤンとR.L.ミルズが非可換ゲージ場の理論を発表し,これに基づいて,70年代の終りには電磁場と素粒子の弱い相互作用を統一的に記述する理論がS.ワインバーグとA.サラムによって完成され,これをさらに発展させて素粒子の強い相互作用をも含む大統一理論を作ろうとする試みが盛んに行われている。ここで注目すべきことは,ヤンとミルズの理論が,かつてのワイルの理論の生れ変りという面をもっていることである。…

【ワインバーグ=サラムの理論】より

…電磁相互作用と中性カレントを含む弱い相互作用との統一理論。アメリカのワインバーグSteven Weinberg(1933‐ )とパキスタンのサラムAbdus Salam(1926‐96)によって独立に提案(ワインバーグは1967年,サラム68年)されたものであるが,その後,アメリカのグラショーSheldon Lee Glashow(1932‐ )による貢献が大きく,ワインバーグ=サラム=グラショーの理論とも呼ばれる(この3人は1979年ノーベル物理学賞を受賞)。三つの結合定数(相互作用の強さを表すパラメーター)を二つにまでしか減らしていない点で不完全な統一理論といえるが,弱い相互作用もやはりゲージ理論であり,しかもくりこみ可能であることを示したのがこの理論の非常に重要な特質である。…

※「サラム,A.」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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