日本大百科全書(ニッポニカ) 「サリー(民族衣装)」の意味・わかりやすい解説
サリー(民族衣装)
さりー
sari
saree
インドやパキスタンでおもにヒンドゥー教徒の女性が着用する民族衣装。長さ5~11メートル、幅1メートルほどの1枚の大きな布で、ペチコートとチョリcholiを着た上に巻き付けて装う。着方は、ペチコートのウエストに、襞(ひだ)を畳みながらサリーを入れ、右側から体を包むように左肩に巻き付け、残りの部分を頭にかぶったり、肩から後ろに流したりする。巻き付け方は身分、場合、地域などを表し、微妙な違いがみられる。後ろに長くトレーンを引く形、あるいは余った部分を股間(こかん)を通してルーズなズボン風に着付ける方法などもある。普段用サリーには絹ジョーゼット、シフォン、木綿地などの柄物(がらもの)、無地が使われるが、装飾的なボーダー柄になっていることが多い。フォーマルなものには、より厚手の多彩な色彩の布地が用いられ、金糸・銀糸を織り込んだ豪華なものも多い。サリーの下に着て胸を支えるブラジャーの役割を果たすチョリは普通前あきで、丸型、V型、角型などのネックライン、袖なし、短袖、長袖がある。チョリとともにネックレスを飾り、サリーが完成される。
[深井晃子]
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