サンタナ(Johan Alexander Santana)(読み)さんたな(英語表記)Johan Alexander Santana

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

サンタナ(Johan Alexander Santana)
さんたな
Johan Alexander Santana
(1979― )

アメリカのプロ野球選手(左投左打)。大リーグ(メジャー・リーグ)ミネソタ・ツインズ先発投手としてプレー威力のある速球とチェンジアップが武器の、球界ナンバー・ワンといわれる左腕投手である。

 3月13日、ベネズエラメリダに生まれる。1995年、16歳のときにドラフト外でヒューストン・アストロズ入団。1996年はおもに救援投手としてドミニカ共和国のサマー・リーグで40回を投げ、対戦チームの打者を打率1割7分8厘に抑える。1997年はマイナー・リーグのA級に昇格するが、伸び悩みで未勝利。1998年もA級でおもに先発投手として投げ、10勝6敗。1999年は27試合登板で26試合に先発、8勝8敗に終わったが、160回3分の1を投げて三振150を奪う。同年シーズンオフにルール5ドラフト(メジャーリーグ40人枠の登録から外れた選手を対象としたドラフト)でフロリダ・マーリンズ移籍。その後、すぐに交換トレードでツインズに移籍する。2000年はキャンプでの成長が認められて開幕からメジャー入り。30試合のうち25試合にリリーフ登板、5試合に先発し、2勝3敗、防御率6.49にとどまる。2001年は肘(ひじ)の故障にみまわれて、わずか15試合だけの登板で、1勝0敗。2002年はAAA級で開幕を迎えたが、球威を取り戻して5月にツインズに昇格。先発と救援で8勝6敗、防御率2.99をマークし、地区優勝に貢献した。2003年は開幕から救援として起用されたが、後半戦から先発に転向すると、閉幕まで無傷の8連勝を記録、2年連続地区優勝の原動力となる。12勝3敗(勝率8割)はリーグトップの勝率で、フランク・バイオーラFrank Viola(1960― )がもつ球団記録の7割7分4厘を更新した。2004年は前半戦こそもたついたが、オールスター・ゲーム以降の後半戦は負けなしの13連勝でシーズンを終え、20勝6敗、防御率3.07で初のサイ・ヤング賞(最優秀投手賞のこと)を獲得するとともに、三振265で初めての奪三振王にも輝く。ツインズは3年連続地区優勝を遂げ、ディビジョン・シリーズでもニューヨーク・ヤンキース相手に2試合に登板、防御率0.75で1勝をマークしたが敗退。2005年は16勝7敗、防御率2.87を記録、三振238を奪い、2年連続で奪三振王となる。2006年も例年通りスタートはよくなかったものの、徐々に調子を上げて、最多勝タイ記録となる19勝をマーク。防御率2.77、奪三振245で投手三冠王に輝く活躍をみせて地区優勝に貢献した。シーズン後には2回目のサイ・ヤング賞に選出された。

[出村義和]

2007年以降

2007年は登板33試合すべてに先発、チーム最多の15勝をあげた。8月19日の対テキサス・レンジャース戦では17三振を奪い、1試合における奪三振の球団記録を更新。シーズン奪三振235はリーグ2位。一方では、チーム最多の33本のホームランを浴びるなどで防御率は3.33と前年を下回り、自己ワーストの13敗を喫した。2008年からはニューヨーク・メッツでプレー。

 2007年までの通算成績は、登板試合251、投球回1308と3分の2、93勝44敗、防御率3.22、奪三振1381、完投6、完封4。獲得したおもなタイトルは、最多勝利1回、最優秀防御率2回、最多奪三振3回、サイ・ヤング賞2回、ゴールドグラブ賞1回。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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