サンタロール(読み)さんたろーる(英語表記)santalol

日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンタロール」の意味・わかりやすい解説

サンタロール
さんたろーる
santalol

炭素数15のセスキテルペンアルコール。2種の異性体、三環式のα(アルファ)-サンタロールと二環式のβ(ベータ)-サンタロールが存在する。びゃくだん油サンダルウッド油)を分留するとα-体とβ-体の混合物として無色の粘性液体が得られ、これは木の香りがする高級調合香料である。α-サンタロールおよびβ-サンタロールの合成については多くの研究が行われているが、現状では工業的に生産できる方法はみいだされていない。しかしながら合成研究の結果、天然には存在しない強いびゃくだん様香気をもつ『合成サンダルウッド』とよばれる化合物がみいだされ、たとえばイソカンフィルシクロヘキサノール、プラマロールなどが工業的に生産され、市販されている。東洋調の調合香料として多く使用されている。

[佐藤菊正]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のサンタロールの言及

【ビャクダン(白檀)】より

…仏像,美術彫刻,小箱,櫛(くし)など小細工物,数珠などに賞用され,また薫香,抹香,線香の材料とする。心材や根材を水蒸気蒸留して得られるビャクダン油sandal oilは,主成分としてセスキテルペンアルコールのサンタロールsantalolを含有し,薬用やセッケンなど化粧品の賦香料とする。なお,〈栴檀(せんだん)は双葉より芳し〉の栴檀はビャクダンのことで,センダン科のセンダンではない。…

※「サンタロール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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