日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンタ・ルチア」の意味・わかりやすい解説 サンタ・ルチアさんたるちあSanta Lucia ナポリ民謡。テオドロ・コットラの詞にエンリコ・コンビッチが作曲し、サルバドール・カルディッロがまとめ上げた。ナポリがカルロ4世の統治下にあった1744年、オーストリア軍を撃退した戦勝祝いに、サンタ・マリア・ディ・ピエディグロッタ寺院で歌祭りとして催されたのを始まりとするナポリの民謡祭の第一期黄金時代(19世紀後半)の作品。ナポリは、サンタ・ルチアすなわち聖女ルチアを守護神とし、サンタ・ルチア・ディ・ドンナレジーナ寺院にそれを祀(まつ)っている。つまり、サンタ・ルチアを何度も繰り返して歌うこの名曲は、ナポリ市民の守護神賛歌である。[黒坂俊昭] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例