日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
サービス(Robert William Service)
さーびす
Robert William Service
(1874―1958)
カナダの詩人。イギリス生まれ。22歳のときカナダに移住した。ユーコン準州で銀行員を勤めるかたわら、北方の厳しい自然のなかに生きる人間を材にとった詩を書いた。リズミカルな伝承バラッドを思わせる語り口を駆使した『サウアドー(北方男)の唄(うた)』(1907)や『チーチャコ(新参者)のバラッド』(1909)などの詩集で一躍カナダでもっともポピュラーな詩人となった。1912年にカナダを去りヨーロッパに居を定めた。カナダで生活したのは十数年にすぎないが、カナダ北方の自然と人間とを歌った民衆詩人としてその名は不滅である。いまなお親しまれている多くの詩編のほか、数編の通俗ロマンス、2巻の自伝(1945、48)などを残した。
[平野敬一]