ザックス(読み)ざっくす(英語表記)Nelly Sachs

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ザックス(Nelly Sachs)
ざっくす
Nelly Sachs
(1891―1970)

ドイツ語で書いたユダヤ系女流詩人。ベルリンに生まれる。15歳のときにラーゲルレーブと文通を始め、またこのころより物語の創作などを試みる。1940年ナチス政権下のドイツをスウェーデンに逃れ、その後、死に至るまで主としてストックホルムに住む。重要な仕事としては、ユダヤ人の受難を主題とした『死のすみかにて』(1944~45成立)以下の詩集と『エリ』(1943)以下の劇詩のほか、スウェーデンの現代詩のドイツ語訳がある。66年にはノーベル文学賞を受賞。独特な深化に達したユダヤ思想と斬新(ざんしん)な暗喩(あんゆ)的、象徴的詩法が緊密に結び付いた作風で、人間の苦悩と救済の本源的な姿を形象化し、現代詩の表現領域の拡大に少なからず寄与している。[田口義弘]
『N・ザックス著、生野幸吉訳『イスラエルの受難』(1968・三修社) ▽N・ザックス著、パウル・ツェラン著、飯吉光夫訳『往復書簡』(1996・青磁ビブロス)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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