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ザッヘル・マゾッホ Leopold Ritter von Sacher‐Masoch

世界大百科事典 第2版の解説

ザッヘル・マゾッホ【Leopold Ritter von Sacher‐Masoch】

1836‐95
オーストリアの小説家。オーストリア・ハンガリー二重帝国下のガリツィアのレンベルク(現,ウクライナ領リボフ)に生まれ,ヘッセンのリントハイムに没した。プラハとグラーツの大学で歴史学を学び,弱冠20歳でグラーツ大学の歴史学講師として立ったが,まもなくアカデミックな経歴を放棄して作家稼業に専心。主として故郷ガリツィアの農民やユダヤ人の生態をテーマに数々の物語を書く。代表作《毛皮を着たビーナス》(1870)は,〈ギリシア人〉と称する美男に恋人ワンダを奪われながら,2人に下男として仕える苦痛に快楽を覚える青年S.クジエムスキーの性的偏倚(へんい)を描いたもの。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のザッヘル・マゾッホの言及

【エロティシズム】より

…ビアズリーが繊細な線描によって,あの倒錯的なエロティシズムを表現していた時代,ロンドンには何百軒という淫売屋が営業していたという。オーストリアのザッヘル・マゾッホが,のちにマゾヒズムと呼ばれるようになる倒錯を描いて,受苦の歓びに初めて意識的に表現をあたえたのも19世紀末である。よかれあしかれ20世紀はフロイトの世紀であり,そのリビドー学説や抑圧の理論によって,この時代のエロティシズムは大きく左右された。…

【マゾヒズム】より

…狭義には,相手(ときには自分自身)から身体的・精神的な苦痛や屈辱を被ることによって性的快楽を得る性倒錯。マゾヒズムという名は,好んでこのような性的行為を描いたオーストリアの作家ザッヘル・マゾッホの名にちなんで,精神科医クラフト・エービングにより与えられたものである(1890)。マゾヒズムの心理機制は,サディズムが反転して自己に向いたもの,サディスティックな相手への同一視,罰や苦痛を経験することによる快楽を伴った罪意識の軽減,本来権威的な両親像をなだめるためにとられた従順な役割の性愛化,〈死の本能〉の顕現などが考えられている。…

※「ザッヘル・マゾッホ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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