世界遺産詳解 「シアン-カアン」の解説 シアンカアン【シアン-カアン】 1987年に登録されたメキシコの世界遺産(自然遺産)で、ユカタン半島のカリブ海沿岸に広がる自然保護区。総面積は約5300km2で、珊瑚礁、潟湖(せきこ)、熱帯雨林などからなり、多様な自然環境と生態系が見られる。保護区内では、植物約1200種と哺乳類103種が確認されている。全体の約3割を占める熱帯雨林には、ネコ科のオセロット、イノシシに似たペッカリー、体長2m、体重300kgに及ぶ哺乳類ベアードバクなどが生息する。海域には、翼を広げると2m以上のアメリカグンカンドリをはじめカワウやペリカンなどが見られる。潟湖には、体重400kgを超えるアメリカマナティーやウミガメなどが暮らす。シアン・カアンは、マヤの言葉で「天空の生まれた場所」を意味する。かつてはこの地域一帯にマヤの人々の集落が存在したが、今は、その末裔約800人がヤシで造った家に暮らすだけである。このような多様な自然環境と貴重な生態系が評価され、世界遺産に登録された。◇英名はSian Ka'an 出典 講談社世界遺産詳解について 情報