シオン城(読み)しおんじょう(英語表記)Château de Sion フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シオン城」の意味・わかりやすい解説

シオン城
しおんじょう
Château de Sion フランス語

スイス南西部のシオンにある聖堂、兼城塞(じょうさい)。正式にはノートル・ダム・ド・バレール聖堂という。この地方を領有し、聖俗権力をあわせもっていたシオンの司教が、高さ120メートルの岩山の上に築いた。建造は11世紀に始まって15世紀に及び、ロマネスク式ゴシック式が並存する。内陣にあるロマネスク独特の人物・動物彫刻をもつ柱頭、15世紀中ごろに描かれたゴシック式のフレスコ画、それにキリスト生涯を描いた17世紀バロック式の浮彫りをもつ聖職者席が有名。城内の博物館には、みごとなロマネスク式の家具や、この地方の伝統工芸品が納められている。展望台からはシオンの街とアルプス連峰が眺められる。

[紅山雪夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android