シミオナート(読み)しみおなーと(英語表記)Giulietta Simionato

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

シミオナート
しみおなーと
Giulietta Simionato
(1910―2010)

イタリアのメゾ・ソプラノ歌手。フォルリに生まれる。ロビーゴでグイード・パルンボGuido Palumboなどに師事。1928年にモンターニャ(イタリア)でマスカーニの『カバレリア・ルスティカーナ』のローラ役を歌い、1933年フィレンツェのベルカント・コンクールで優勝。1935年にはイルデブランド・ピツェッティの『オルセオロ』初演のために行われた、フィレンツェでのコンクールで385人のライバルを破り第1位を獲得。翌1936年ミラノのスカラ座でベルディの『リゴレット』のマッダレーナ役を歌ってデビューしたが、初めは脇役としての採用だった。その後ベネチアのフェニーチェ座、ローマ歌劇場、ナポリのサン・カルロ劇場に出演、さらに第二次世界大戦後にはイタリア以外の国々での活躍も加わり、ロンドンのコベント・ガーデン王立歌劇場、ウィーン国立歌劇場、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場など各国の主要な劇場に出演する。美しい容姿と、優れた歌唱力と演技力、性格描写で世界中に知られる。1966年ピッコロ・スカラ(ミラノ)で、モーツァルトの『ティトゥス帝の慈悲』のセルビリア役を最後に引退、後進の指導にあたる。
 数多くの録音が残っているが、そのうちのいくつかを挙げると、ローマのアルジェンティーナ歌劇場でのロッシーニ『セビーリャの理髪師』(ロジーヌ役)、指揮フランコ・カプアーノFranco Capuano、ローマのサンタ・チェチーリア音楽院合唱団と管弦楽団の共演によるチレーアのオペラ『アドリアナ・ルクブルール』(ブイヨン公爵夫人役)、ベルディのオペラ『トロバトーレ』(ザルツブルク音楽祭(1962)でのライブ録音。アズチェーナ役)などがある。またベルディのオペラ『仮面舞踏会』(ミラノ・スカラ座管弦楽団と合唱団、指揮ジャナンドレア・ガバッツェーニGianandrea Gavazzeni(1909―1996))は1957年スカラ座でのライブ録音であるが、アメリアをマリア・カラス、ウルリカをシミオナートが演じている。また、『ジュリエッタ・シミオナート・オペラ・アリア集』も出ている。NHKが1956年(昭和31)から20年間にわたって8回行った「イタリア歌劇団公演」の映像が残っており、モノクロームではあるがシミオナートの姿もDVDで見ることができる。
 『セビーリャの理髪師』でのロジーヌ、『アイーダ』のアムネリス、『フィガロの結婚』のケルビーノ、『トロバトーレ』のアズチェーナ、『カバレリア・ルスティカーナ』のサントゥッツァ、『ドン・カルロ』のエボリ公爵夫人などの役を得意とし、第二次世界大戦後のイタリア・オペラの黄金時代を築いたオペラ歌手の一人である。[小沼純一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

檄を飛ばす

自分の主張や考えを広く人々に知らせ同意を求める。また、それによって人々に決起を促す。飛檄。[補説]誤用が定着して「がんばれと励ます」「激励する文書を送る」という意味でも用いられる。文化庁が発表した「国...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android