シメオン1世(大帝)(読み)シメオンいっせい[たいてい](英語表記)Simeon I, Veliki

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シメオン1世(大帝)」の意味・わかりやすい解説

シメオン1世(大帝)
シメオンいっせい[たいてい]
Simeon I, Veliki

[生]864/865
[没]927
第1ブルガリア帝国皇帝 (在位 893~927) 。ボリス1世ミハイル末子人質としてビザンチン帝国の首都コンスタンチノープルで育ち,キリスト教神学やギリシア古典文学,哲学を学ぶ。ブルガリア皇帝に即位後,ビザンチンの帝位を夢みて前後3回 (894~897,913~914,919~924) コンスタンチノープルに迫り,貢納を約束させた。またベッサラビアマケドニアアルバニアセルビアを制圧してバルカンの大半を支配し,ブルガリアを同時代のヨーロッパ最大,最強の国の一つとした。 924年ブルガリア教会をコンスタンチノープルから独立させ,スラブ人最初の国民教会の創始者となり,925年「ブルガリア人とローマ人の皇帝にして専制君主」と号した。学芸の保護育成に努め,首都プレスラフの宮廷は文化の一大中心となった。

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