日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シュタウディンガー(Franz Staudinger)
しゅたうでぃんがー
Franz Staudinger
(1849―1921)
ドイツの哲学者、社会学者。ウォルムス、ダルムシュタットの高等学校(ギムナジウム)教授。新カント学派に属し、カントの倫理学説によって社会主義に道徳的基礎を与えることに努めた。主著『道徳の経済的基礎』(1907)において、社会関係を、策略と暴力とに基づく物理的関係、自己利益に基づくゲゼルシャフト関係、共通目的目ざしての自発的協力たるゲマインシャフト関係の三つに分け、ゲマインシャフト関係が上位にたつ社会こそ真に道徳的であり、社会主義が建設の目標にしなければならないものであると説いた。またこの見地から、労働者の自発的互助組織としての生活協同組合運動を理論的、実践的に指導した。
[森 博 2015年2月17日]
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