シュトルーベ(Friedrich Georg Wilhelm von Struve)(読み)しゅとるーべ(英語表記)Friedrich Georg Wilhelm von Struve

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シュトルーベ(Friedrich Georg Wilhelm von Struve)
しゅとるーべ
Friedrich Georg Wilhelm von Struve
(1793―1864)

ドイツ生まれのロシアの天文学者。ハンブルク近くのアルトナに生まれる。ドルパト(タルトゥ)在住の兄のもとに移住、同地の大学で言語学を修め、転じて1813年天文学の学位を得、教授に就任。1817年同地天文台長。1838年ロシア皇帝の招請プルコボ天文台の建設に努力し、1839年完成とともに台長に任命され、死の2年前まで観測に精進した。終生の業績は、精密測微計を駆使して二重星の継続観測に従事し、1822年および1827年の再度にわたり『二重星目録』を公刊、収録個数は3112対に及び、これらは分離角によって類別されている。加えて518組の多重星を発見した。1839年同器を用いてベガ織女星)の年周視差0.264秒角を検出した。また1816~1850年父子2代にわたりノルウェーからドニエプル河口までの子午線測量事業に献身した。子孫4世にわたる天文学一門の宗祖である。

[島村福太郎]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android