シュリ・プリュドム(読み)しゅりぷりゅどむ(英語表記)Sully Prudhomme

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シュリ・プリュドム」の意味・わかりやすい解説

シュリ・プリュドム
しゅりぷりゅどむ
Sully Prudhomme
(1839―1907)

フランス詩人。本名ルネ・フランソワ・アルマン・プリュドムRené François Armand Prudhomme。商人の息子としてパリに生まれる。技師を目ざしたが、眼病のため科学技術学校への進路を断念、確たる信念もなく、法律事務所などに勤めていた。1865年に、友人の強い勧めによって最初の詩集スタンスと詩』Stances et Poèmesを刊行、文芸批評家のサント・ブーブに認められるなど、好評を得た。以後、文芸の道を進み、81年にはアカデミー・フランセーズの会員になった。1901年に第1回ノーベル文学賞を受賞。

 はじめは高踏派の詩人とみなされ、哲学的、科学的な趣向をにじませた、完成された優雅な詩を発表した。のちに、激しく自己をみつめる哲学的姿勢を強め、高踏派の枠をこえて独自の詩風を確立した。作品には『孤独Les Solitudes(1869)、『正義』La Justice(1878)、『幸福』Le Bonheur(1888)などがある。

[編集部]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シュリ・プリュドム」の意味・わかりやすい解説

シュリ・プリュドム
Sully Prudhomme

[生]1839.3.16. パリ
[没]1907.9.6. シャトネー
フランスの詩人。 René-François-Armand Prudhommeともいう。初めエンジニア,次いで法律家を目指したが,のち詩作に専念,1865年に最初の詩集『スタンスと詩』 Stances et poèmesを発表し,一躍名声を博した。高踏派の詩集『現代高踏詩集』 Le Parnasse contemporain (1866) にも参加したが,徐々に哲学詩の傾向を強め,詩集『運命』 Les Destins (72) ,『正義』 La Justice (78) ,『幸福』 Le Bonheur (88) などを発表して,孤独な精神の苦悩を伝え,進歩する近代世界における良心の問題を追求した。評論に『パスカルにおける真の宗教』 La Vraie Religion selon Pascal (1905) などがある。 1901年ノーベル文学賞受賞。

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百科事典マイペディア 「シュリ・プリュドム」の意味・わかりやすい解説

シュリ・プリュドム

フランスの詩人。初期の詩集《スタンスと詩》などで高踏派詩人と目されたが,近代を思索する哲学的な詩に特色がある。《孤独》《運命》など。1881年アカデミー・フランセーズ会員となり,1901年に第1回ノーベル文学賞を受けた。

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