ショクヨウホオズキ(読み)しょくようほおずき

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ショクヨウホオズキ」の意味・わかりやすい解説

ショクヨウホオズキ
しょくようほおずき / 食用酸漿
[学] Physalis pruinosa Bailey

ナス科(APG分類:ナス科)の多年草。メキシコ北部から中央アメリカ原産で、果実を食用とする。日本では秋の霜にあうと枯れ、栽培上は一年草扱いされる。ホオズキに似るが、全体が柔らかい白色の毛で覆われ、高さ0.5~1メートルで横に広がる。花は黄白色で径1センチメートル、花弁が浅く5裂して内部に褐色斑点(はんてん)がある。果実を包む萼(がく)が茶色に変わり、触ると果柄の付け根から落ちやすくなるころが完熟期で、このころに収穫する。果実は径2センチメートルほどの球形でつやのある黄色、トマトに似た甘酸っぱい味と特有の香りがあり、英名をhusk tomatoという。ビタミン類を多く含み、生食するが、煮て食べたり、砂糖漬けや酢漬けにもする。近縁種に、高温の地に栽培されるキボウホウグーズベリー(ブドウホオズキ)があり、これも果実を食用にするが、日本ではほとんど栽培や利用がない。キボウホウグーズベリーの英名をcape gooseberryといい、ショクヨウホオズキの別英名dwarf cape gooseberryと似るので、しばしば混同されている。

[星川清親 2021年6月21日]


出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のショクヨウホオズキの言及

【ホオズキ】より

…【矢原 徹一】
[園芸種]
 日本で観賞用に栽培されるホオズキ類は,ホオズキが最も多く,これの小型品種をサンズンホオズキ,早生大果品種をタンバホオズキ(イラスト)という。ショクヨウホオズキP.pruinosa Bailey(英名strawberry tomato)やP.pubescens L.は北アメリカ原産で,熟した果実は甘みがあり,生食や煮食される。このほか,熱帯アメリカ原産の一年生種で萼が赤く着色しないセンナリホオズキP.angulata L.が帰化している。…

※「ショクヨウホオズキ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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