ショ(蔗)糖(読み)しょとう

百科事典マイペディア 「ショ(蔗)糖」の意味・わかりやすい解説

ショ(蔗)糖【しょとう】

化学式はC12H22O11スクロースサッカロースとも。砂糖主成分ブドウ糖果糖が結合してできた代表的な非還元性二糖類。無色の単斜結晶で融点160〜185℃。酸または酵素で容易に加水分解され,ブドウ糖と果糖の等量混合物(転化糖)を生ずる(転化)。ショ糖植物界にきわめて広く分布し,ウリジン二リン酸グルコースUDPGとも)と果糖または果糖−1−リン酸から生成される。動物体内ではスクラーゼにより分解され,重要なエネルギー源。工業的にはサトウキビテンサイから抽出・精製され,甘味料,菓子原料などに利用される。(図)
→関連項目糖蜜バガス

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改訂新版 世界大百科事典 「ショ(蔗)糖」の意味・わかりやすい解説

ショ(蔗)糖 (しょとう)

サッカロースsaccharose,スクロースsucroseともいう。サトウキビ,サトウダイコン(テンサイ)などの多くの植物によって合成されるグルコースとフラクトースが1分子ずつ結合した二糖類。ショ糖を主体とする工業的製品を総称して砂糖と呼ぶ。ショ糖および砂糖という言葉は混同して使われることが多いが,化学物質として扱う場合はつねにショ糖の名称が用いられる。ショ糖は光合成能力のあるすべての植物体に見いだされ,人類には甘味料としてひじょうに古くから用いられていた歴史をもつ。ショ糖は酸あるいは酵素(インベルターゼ)によって,それぞれ1分子のグルコースとフラクトースに加水分解される。
多糖
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世界大百科事典(旧版)内のショ(蔗)糖の言及

【栄養】より

…すなわち炭素と水とが化合した形のものであり,この意味から含水炭素とも呼ばれていた。炭水化物には多数の種類があるが,なかでもデンプン,ショ糖,乳糖が重要である。(1)デンプン 米,麦などの穀類やいも類に多量に含まれ,食品の炭水化物中大部分を占める。…

【果糖】より

…化学名はD‐フルクトースでC6H12O6の分子式で示される。 ショ糖は果糖とブドウ糖が結合してできた二糖類である。果糖は,ショ糖を酸あるいはインベルターゼ(ショ糖分解酵素)の作用で加水分解して,ブドウ糖から分離して得られている。…

【砂糖】より

…ショ(蔗)糖を主体とする工業製品の総称で,化学名としてはショ糖を使う。ショ糖は,多くの植物によって光合成産物として生産される。…

【炭水化物】より

…デンプン,ショ糖,ブドウ糖など日常生活でもしばしば出会う化合物群であり,糖質とも呼ばれる。三大栄養素の一つ(炭水化物の栄養的側面については〈栄養〉の項目を参照)。…

※「ショ(蔗)糖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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