シラー(Ferdinand Canning Scott Schiller)(読み)しらー(英語表記)Ferdinand Canning Scott Schiller

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

シラー(Ferdinand Canning Scott Schiller)
しらー
Ferdinand Canning Scott Schiller
(1864―1937)

イギリスの思想家。ドイツのハンブルク近くのオテンセンに生まれる。オックスフォード大学のベリオル・カレッジを卒業し、生涯同大学のコープス・クリスティ・カレッジのフェロー(特別研究員)であったが、その間アメリカの各大学で教えた。当時圧倒的なヘーゲル哲学に反対し、進化論に共鳴して、真理の先天性、超越性を否定し、真理は人間が自己の目的のもとに実践することによってつくりだす価値にあると考えた。そのため、プロタゴラスの「人間尺度説」をプラトン哲学よりも評価する。この点でプラグマティズムに近いが、自らは、この創造担い手としての人格、人間を重視する人本(じんぽん)主義(人文主義)humanismを強調した。

[杖下隆英 2015年7月21日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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