シロタマゴテングタケ(読み)しろたまごてんぐたけ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロタマゴテングタケ」の意味・わかりやすい解説

シロタマゴテングタケ
しろたまごてんぐたけ / 白卵天狗茸
[学] Amanita verna (Fr.) Vitt.

担子菌類、マツタケ目テングタケ科の猛毒キノコ。形態的には傘、ひだ、茎のほかに、茎の上方に膜質のつば根元には袋状のつぼをもち、テングタケ科のなかの猛毒種を集めるタマゴテングタケ節(節とは属と種の中間にある分類ランク)の特徴を備える。色は全体に純白色で、茎の表面が滑らかである。近縁種ドクツルタケA. virosa Secr.は、茎の表面がささくれで覆われていることで区別がつくが、毒性は両種とも変わらず、実用的には区別の必要はない。日本各地に分布するが、ドクツルタケのほうが多い。英米ではいずれもdestroying angelの名でよぶ。

[今関六也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のシロタマゴテングタケの言及

【キノコ(菌∥蕈∥茸)】より

…また後者には胃腸障害,神経系統をおかすものなどがあり,中毒症状もさまざまである。以上のことから見て,第1に致命的な猛毒菌としてドクツルタケ(シロタマゴテングタケを含めて),致命的ではないが中毒件数がとくに多いツキヨタケ,イッポンシメジ(クサウラベニタケを含めて),カキシメジ(マツシメジを含めて)などの見分け方を衆知すれば,日本のキノコ中毒者の数は現在の1/3~1/4に減るであろう。 ドクツルタケは日本における代表的猛毒菌で,茎の根もとに袋状のつぼがあり,上の方に膜質のつばがある。…

※「シロタマゴテングタケ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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