シロフクロウ(読み)しろふくろう(英語表記)snowy owl

翻訳|snowy owl

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シロフクロウ」の意味・わかりやすい解説

シロフクロウ
Bubo scandiacus; snowy owl

フクロウ目フクロウ科。全長雄 52~64cm,雌 59~66cmの大型のフクロウ。雌の方が体は大きく,褐色斑の数も多い。成鳥では雄はほとんど白色で,頭部などにわずかに褐色斑があるが,雌は顔を除くとほとんど全身に褐色斑がある。虹彩は黄色。北極圏ツンドラで繁殖し,地上に巣をつくる。南限は北緯 55°~60°である。レミングなどの小型哺乳類と鳥類主食とし,ライチョウカモなども食べる。冬は南方に渡るが,渡りの規模は年によって異なり,日本には冬季,ごくまれに北海道に飛来する。(→猛禽類

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シロフクロウ」の意味・わかりやすい解説

シロフクロウ
しろふくろう / 白梟
snowy owl
[学] Nyctea scandiaca

鳥綱フクロウ目フクロウ科の鳥。北極圏で繁殖する大形フクロウで、羽色は全体に白く、黒っぽい横縞(よこじま)がある。全長50~60センチメートル。ツンドラ地帯の荒れ地や沼沢地にすみ、夜だけでなく昼間も狩りをする。飛翔(ひしょう)はタカ類のように軽妙で、地上のレミング(タビネズミ)をおもにとって食べる。地上にじかに産卵し、産卵数や産卵回数はレミングの数によって変動する。普通5~6卵、レミングが多い年には13卵も産むことがあり、しかも2回繁殖する。一方、レミングの数が非常に少ない年には、まったく繁殖しないこともある。日本には、まれな冬鳥として北海道や本州に渡来する。

[樋口広芳]


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百科事典マイペディア 「シロフクロウ」の意味・わかりやすい解説

シロフクロウ

フクロウ科の鳥。翼長44cm。雄は全身ほぼ純白で,雌と若鳥白地にこげ茶色の斑紋がある。寒冷地に適応し,足には長い羽毛が生える。ユーラシア北米の北極圏ツンドラに生息し,一部は冬季に南へ渡る。日本では北海道で冬に少数が渡来するほか,夏にも観察されることがある。おもにレミングなどの小型哺乳(ほにゅう)類を食べ,鳥や魚を食べることもある。

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