普及版 字通 の解説
12画
[字訓] みたまや・ふす・やめる
[説文解字]
[甲骨文]
[字形] 会意
卜文・金文に、古文にに作り、のち(侵)(しん)に従う字となる。初文では宀(べん)+帚(そう)で会意、のちの字形では声である。〔説文〕七下に「臥するなり」とするが、は寝の寢(寝)の初文である。卜辞に王・東・西・新の名があり、金文の〔師遽方彝(しきよほうい)〕に「王、の康(かうしん)に在りて、()(きやうれい)す」とあって、寝臥するところとは異なる。帚は酒器を(そそ)いで祓禳する意。とは神霊のあるところをいう。寢のように爿(しよう)(牀)を加えるのは、寝臥のところ。もとと寢とは区別すべき字であったが、のち寢をその両義に用いる。
[訓義]
1. みたまや、寝、おくざしき。
2. ふす、ねる、いま。
3. やめる、おさめる、とどまる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕 フス・ネヤ・ヤム 〔字鏡集〕 イヌ・フス・タユ・ネヤ・オモフ・ヤム・ヤスシ・ヲカス・オホフ・コモル・オホトノ・ネコト(トコ)・ヌルヤ・ヤウヤク
[語系]
・・寢tsimは同声。寢は〔説文〕七下に「みて臥するなり」と訓し、その正字は(夢)の形に従っていて夢魔になやむ象である。が寝の本字。夢魔にあらわれるものも、寝にやどる霊なのであろう。
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報