日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
シーボルト(Karl Theodor Ernst von Siebold)
しーぼると
Karl Theodor Ernst von Siebold
(1804―1885)
ドイツの動物学者。ドイツ語の読みではジーボルトという。ベルリン大学、ゲッティンゲン大学に学んで医師となり、エルランゲン大学、ミュンヘン大学の解剖学および動物学教授を歴任。おもに無脊椎(むせきつい)動物の比較解剖学と分類学、および寄生虫学に従事した。キュビエの分類による関節動物を節足動物と蠕形(ぜんけい)動物に分け、前者に昆虫類、クモ類、甲殻類を含めた。また放射動物中の滴虫類の区分を廃して植虫類と原生動物に分けた。原生動物Protozoaの語もシーボルトによる。さらに、寄生虫の生活史の研究から、寄生虫が宿主の体の一部から生じるという考えを正した。幕末に来日したシーボルトP. F. B. von Sieboldの叔父。主著に『無脊椎動物比較解剖学』(1848)がある。
[八杉貞雄]
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