ジャゴ(英語表記)jago

改訂新版 世界大百科事典 「ジャゴ」の意味・わかりやすい解説

ジャゴ
jago

インドネシアジャワ島において,闘鶏,転じてプンチャック,シラットなど伝統的武芸の達人のことをいう。武芸はジャワ神秘主義(クバティナン)の知,とりわけ不死身術にいたる方法とされ,このためジャゴは,ジャワ神秘主義の師(グル),イスラム塾の教師(キアイ)と並んで,世俗の権力秩序の外にある存在とされた。ジャゴは歴史的には,合法と非合法のはざまで,賭博,闘鶏などを生業とする者たちの総称であったが,今日では,ならず者,いたずら者,はみ出し者を意味し,ハルス(優雅,洗練)とカサル野卑,粗野)の二項対立を基軸するジャワの階序的社会秩序を超えたパーソナリティ・タイプの範疇となっている。
クバティナン
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android