ジュリアン・ソレル(英語表記)Julien Sorel

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジュリアン・ソレル」の意味・わかりやすい解説

ジュリアン・ソレル
Julien Sorel

フランス小説家スタンダールの小説『赤と黒』 (1830) の主人公。王政復古時代における,下層階級出身の野心的青年典型として描かれている。

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世界大百科事典(旧版)内のジュリアン・ソレルの言及

【ジュリヤン・ソレル】より

…フランスの作家スタンダールの小説《赤と黒》の主人公。片田舎の下層階級の出身ながら,才智と美貌に恵まれ,偽善を唯一の武器として立身の道を切りひらいてゆくこの青年は,しばしば野心家の代名詞とされるが,むしろ強調すべきは彼が挫折する野心家だという点であろう。偽善に身をよろいつつも彼の本質は情熱的夢想家であり,明晰冷徹を旨としながら彼は絶えず内面の情熱,自らの感受性に裏切られ続け,ついに破滅へと向かう。〈己の身分の卑しさに反抗した田舎者〉と自らを規定する彼は,時代が生んだ,時代に反抗する人物であり,時代に押しつぶされて死ぬほかない。…

※「ジュリアン・ソレル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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