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ジュリヤン・ソレル Julien Sorel

世界大百科事典 第2版の解説

ジュリヤン・ソレル【Julien Sorel】

フランスの作家スタンダールの小説《赤と黒》の主人公。片田舎下層階級の出身ながら,才智と美貌に恵まれ,偽善を唯一の武器として立身の道を切りひらいてゆくこの青年は,しばしば野心家の代名詞とされるが,むしろ強調すべきは彼が挫折する野心家だという点であろう。偽善に身をよろいつつも彼の本質は情熱的夢想家であり,明晰冷徹を旨としながら彼は絶えず内面の情熱,自らの感受性に裏切られ続け,ついに破滅へと向かう。〈己の身分の卑しさに反抗した田舎者〉と自らを規定する彼は,時代が生んだ,時代に反抗する人物であり,時代に押しつぶされて死ぬほかない。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

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