日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ジョンソン(Eastman Johnson)
じょんそん
Eastman Johnson
(1824―1906)
アメリカの画家。19世紀アメリカの風俗画を代表する一人。メーン州ローウェルに生まれる。1849年渡欧し、デュッセルドルフ、ハーグなどで研鑽(けんさん)を重ねて55年に帰国して以来、健康で穏やかな市民生活を描いた。なかでも『オールド・ケンタッキー・ホーム』(1859・ニューヨーク歴史協会)は奴隷制度の明るい局面をとらえて一般の嗜好(しこう)に投じた。70年代になって集中的に描いた野外の風俗画シリーズのなかには、フランス印象派と並行する光と色の実験の跡がみられたが、ホーマーの画業の陰に隠れた存在になっている。
[桑原住雄]