日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ジョーンズ(Daniel Jones)
じょーんず
Daniel Jones
(1881―1967)
イギリスの音声学者。ロンドン大学教授、1950年度国際音声学協会会長。同協会考案の国際音声字母による彼の『英語発音辞典』An English Pronouncing Dictionary(1917)は生前12版を重ね、没後ギムスンAlfred C. Gimson(1917―1985)の改訂で14版(1977)まで出、今日なおイギリス英語発音の指針をなす。日本の英和辞典や教科書の発音表記の多くはジョーンズ式表記に基づく。また母音の記述の尺度として聴覚印象と調音に基づく基本母音を設定し、これを自ら発音したレコード『The Cardinal Vowels』(1943)がある。『An Outline of English Phonetics』(1918、9版・1960)、『The Phoneme ―― Its Nature and Use』(1950)など著書多数。彼は「音素」を各言語における「音の一族」として物理的にとらえつつ、心理的解釈も完全には排除しない。
[大束百合子 2018年6月19日]
『日本音声学会編『音声学大辞典』(1976・三修社)』
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