日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ジョーンズ(Inigo Jones)
じょーんず
Inigo Jones
(1573―1652)
イギリスの建築家。ロンドン生まれ。当初、宮廷仮面劇の衣装や舞台装置の制作に携わっていたが、二度目のイタリア旅行(1613~15)でパッラディオのルネサンス建築の研究に専念。1615年、国王ジェームズ1世により建築総監督官に任命され、ピューリタン革命の勃発(ぼっぱつ)(1642)までその任にあった。その間、ロンドンのバンケッティング・ハウス(1622)やグリニジのクイーンズ・ハウス(1635)など「イギリスのパッラディオ」と称されるにふさわしい作品を残し、イギリスに古典主義建築を定着させた。またストーンヘンジの研究家としても知られるが、彼はこれを古代ローマの遺構と結論づけている。
[谷田博行]