日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
スカルラッティ(Alessandro Gaspare Scarlatti)
すかるらってぃ
Alessandro Gaspare Scarlatti
(1660―1725)
イタリア、バロック期の作曲家。114曲のオペラと800曲を超えるカンタータを書き、ナポリ楽派の祖とされる。1660年5月2日パレルモに生まれ、12歳でローマに出て、クワンツの記述によるとカリッシミのもとで学び、元スウェーデン女王クリスティーナのローマにおける宮廷楽長となる。84年ナポリ宮廷の第一楽長、1707年ローマのサンタ・マリア・マッジョーレ教会楽長となり、オットボーニ枢機卿(すうききょう)の楽長も務めるが、翌年ナポリの第一楽長に戻っている。しかし17年からふたたびローマ、22年からロレトで過ごしたのち、23年ナポリに戻り、25年10月22日、同地で世を去った。彼の弟子から、息子ドメニコをはじめ、ジェミニアーニ、J・A・ハッセなど、18世紀の音楽史を代表する人物が輩出した。
[樋口隆一]