スカンジナビア史(読み)スカンジナビアし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スカンジナビア史」の意味・わかりやすい解説

スカンジナビア史
スカンジナビアし

スカンジナビアの語は,ノルマン人の国を意味する古称で,歴史的にはスウェーデンノルウェーデンマークアイスランドフィンランドを含む。民族大移動後,ゲルマン民族が定着し,6世紀以後諸部族の統合が進み,9~11世紀スウェーデン,デンマーク,ノルウェーの3国はそれぞれ統一王権を形成,14世紀末「カルマル同盟」を結成した。この同盟は実質的にはデンマークの他国支配であったから他の2国の反乱が絶えず,特にスウェーデンは事実上早くから独立し,グスタフ・バーサ (グスタフ1世 ) のスウェーデン王即位 (1523) をもって同盟を解体した。その後もノルウェーはデンマークとの従属的同盟を続け,のち 1814年スウェーデンへ割譲され,完全な独立は 1905年に実現した。アイスランドは9世紀末より主としてノルウェー人によって植民され,ノルウェー,次いでデンマーク領となり,1944年独立した。フィンランドは 13世紀スウェーデン領となり,以後スウェーデンの対ロシア政策の前進拠点,兵力供給源とされ,スウェーデン勢力の後退後は,帝政ロシアに併合され (1809) ,ロシア革命により独立した (1918) 。第1次世界大戦中,イギリスドイツの圧迫下に多大の損害を受けたスカンジナビア諸国には,汎スカンジナビア主義生れ,第2次世界大戦後も学問文化,経済において多くの民間ベースの協同関係をもつのみならず,政治的にもしばしば共同歩調をとっている。

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