スキピオのサークル

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スキピオのサークル」の意味・わかりやすい解説

スキピオのサークル

前2世紀中頃のローマで,小スキピオのまわりに集った当時最高の教養人たちのサークル。指導者は彼と,その親友でストア哲学造詣のゆえに「賢者」と呼ばれたラエリウスの2人で,ともにすぐれた雄弁家。彼らはギリシア文化の信奉者で,その移入を考え,両文化の融合を目指した。ギリシアの歴史家ポリュビオスがこれに尽力し,ストア派のパナイチオスはこのサークルの哲学と政治思想に決定的影響を与えた。風刺詩サトゥラの詩人ルキリウス,喜劇作家テレンチウスもこれに属した。キケロがこのサークルの人々を再三その対話篇に登場させている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

青天の霹靂

《陸游「九月四日鶏未鳴起作」から。晴れ渡った空に突然起こる雷の意》急に起きる変動・大事件。また、突然うけた衝撃。[補説]「晴天の霹靂」と書くのは誤り。[類語]突発的・発作的・反射的・突然・ひょっこり・...

青天の霹靂の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android