出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
アメリカの作家W.アービングが紳士ジェフリー・クレーヨンGeoffrey Crayonの筆名で発表した代表作。1819-20年分冊出版。山中で出会ったふしぎな男たちの酒を飲んで眠りこみ,目覚めて家に帰ってみれば20年経っていたという浦島太郎風の《リップ・バン・ウィンクル》や《スリーピー・ホローの伝説》などアメリカを舞台にした物語,インディアンに同情を惜しみなく注ぐ《フィリップ王》,ヨーロッパの綺談《幽霊花婿》,イギリスの印象記《ウェストミンスター・アベー》など,短編,スケッチ34編を収録。出版されるや,典雅な文体,上品なユーモア,ペーソスのため一躍有名となり,アメリカ文学の存在をヨーロッパに認めさせた。日本でも《リップ・バン・ウィンクル》の韻文訳が山田美妙編《新体詞選》(1886)に収められたのをはじめ,数多くの翻訳が出版され,英語の教科書としても明治時代以来親しまれている。
執筆者:島田 太郎
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…アメリカの作家W.アービングの《スケッチ・ブック》(1819‐20)に収められた同名の短編の主人公。狩りに出かけたリップはキャッツキル山中で不思議な男たち(イギリス人探検家H.ハドソンとその仲間の幽霊であることがのちにわかる)に出会い,彼らの酒を飲み眠りこむ。…
※「スケッチブック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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