スタラ・ザゴラ(読み)すたらざごら(英語表記)Stara Zagora

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スタラ・ザゴラ」の意味・わかりやすい解説

スタラ・ザゴラ
すたらざごら
Stara Zagora

ブルガリア中部、スタラ・ザゴラ県の県都。スレドナ・ゴラ山脈南麓(なんろく)に位置する。首都ソフィアの東約200キロメートル、ソフィア―ブルガス線とイスタンブール―ルセ線の鉄道の分岐点に位置する。人口16万7708(2001)。紀元前5世紀のトラキア人の集落に始まり、紀元後2世紀にローマの要塞(ようさい)アウグスタ・トラヤナAugusta Trajanaが建設されると幹線道路の要衝として発展し、9世紀にブルガリア領に加えられた。中世後期に荒廃したが、1364年、オスマン帝国の支配下に入るとトルコの都市として再興され、18世紀後半から19世紀の民族復興期にブルガリア人人口が増加し、手工業が栄えた。1878年にベルリン条約東ルメリア州の一地方となったが、東ルメリア州は85年にブルガリアに併合され、現在に至っている。窒素肥料生産は国内生産の3分の2を占める。ほかに、ビール醸造、繊維産業が盛んで、30キロメートル南のマリツァ・イストク炭坑では褐炭露天掘りが行われている。医学部と獣医学部を中心とした総合大学が設置されている。また、郊外には温泉が湧出(ゆうしゅつ)し、療養保養に利用されている。

[寺島憲治]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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