ストア(読み)すとあ(英語表記)stoa

翻訳|stoa

精選版 日本国語大辞典 「ストア」の意味・読み・例文・類語

ストア

〘名〙 (store) 店、商店の意。多く、多種の商品を扱う小売店の名の一部として用いられる。
※欧米印象記(1910)〈中村春雨〉太平洋航海別信「店(ストアー)の玻璃棚(ガラスたな)飾り付けの気の利きたる」

ストア

〘名〙 (stoa) 古代ギリシアの都市国家で、アゴラ周辺の一部または大部分につくられた列柱廊。市民の集会場、遊歩場として用いられた。

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デジタル大辞泉 「ストア」の意味・読み・例文・類語

ストア(store)

売店。商店。ショップ。「スーパーストア」「チェーンストア
[類語]店屋店舗商店ショップ

ストア(〈ギリシャ〉stoa)

古代ギリシャの、市民の集う所に建てられた列柱廊建築。列柱廊だけ、または前面を列柱、背面を壁とした平屋あるいは2階建ての長い建物。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ストア」の意味・わかりやすい解説

ストア
すとあ
stoa

古代ギリシアのアゴラや聖地など多くの市民が集う所に建てられた列柱廊。ラテン語のポルティクスporticusと同義。長方形の廊下のような長い建物で、一方を列柱廊として開放し、他方を石造の壁で閉ざし、壁の面には小さくくぎった店舗が並んでいた。この建物は市民に日よけと買い物のための店舗を提供することを目的として建てられたもので、初期の遺構にサモス島のヘラの聖域のストア(前6世紀)がある。紀元前5世紀から前4世紀に入るとギリシア各地に建てられたが、アテネのアゴラにあったストア・ポイキレ(彩色柱廊の意)がもっとも著名である。竣工(しゅんこう)は前460年ごろで、当代最大の画家ポリュグノトスの四枚の壁画で飾られていたという。またヘレニスティック期にも各地に壮大なストアが建てられたが、ペルガモンのアッタロス2世がアテネに建てたものは二層からなる大ストアで、一階後部に商店や倉庫が並び、柱廊部はドリス式イオニア式、さらにペルガモン式の列柱が二重に各22本ずつ並んでいる。

 ストアは、市民が集い、日々の話題を交換し、ときには哲学や政治が論じられる場ともなった。ストア学派のゼノンは前述のアテネのストア・ポイキレで講義をしたことから、ストア学派とよばれたと伝えられる。

[前田正明]

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「ストア」の解説

ストア

一般的には蓄えることを意味する。アセンブラではレジスターの値をメモリー領域に格納することを指す。プログラミングでは、格納の意味でよく使われ、「データを変数にストアする」といった表現をする。また、レジスターやメモリーのデータを一時的に退避させる記憶領域をスタックという。たとえば、一時的に値を記憶させることを「スタックにストアする」という。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ストア」の意味・わかりやすい解説

ストア
stoa; stylos

建築用語。古代ギリシア建築の列柱廊,柱廊玄関をいう。ラテン語のポルティクス porticusと同意 (→ポーチ ) 。近年アメリカ考古学会が復元したアテネのアゴラにあるストア・アッタロスはその代表的なもの。

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パソコンで困ったときに開く本 「ストア」の解説

ストア

⇨Windowsストア

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世界大百科事典(旧版)内のストアの言及

【ギリシア美術】より

…コリント式神殿は小アジアのウズンジャブルチのゼウス神殿(前300ころ),アテナイのオリュンピエイオン(前174)など,ヘレニズム時代に入ってからである。
[公共建築,住宅]
 アゴラの周りに建てられる公共建築は,多くは前面に柱を立て並べ,三方を壁で囲った長大なホール(ストア)の形式をとっていた。列柱は正面だけのこともあり,中央にもう1列あるものもある。…

【コロネード】より

…街路,広場,庭園,建築物等の周縁に配置される囲いであるが,その機能は囲われる対象や外部との関係でさまざまに変わる。ギリシア時代の広場(アゴラ)に面する柱廊ストアは,コロネードが市民の憩いと歓談の場となった例である。一方,ローマ時代には,コロネードを伴った壮麗な列柱街路が建設された。…

【廊下】より

…エジプトのピラミッド複合体の河岸神殿と葬祭殿を結ぶ通路,クノッソスの宮殿の迷路のような歩廊などはその好例である。エジプトの墓神殿やギリシア神殿の列柱廊(コロネード),ギリシアの都市広場アゴラのストアstoaなどは,日射や雨雪を防ぐための歩廊を建築的に壮麗化したものであった。古代ローマ人はギリシアの建築技法を忠実に引き継いだが,さらに住宅建築にも歩廊を積極的に取り入れたことが注目される。…

※「ストア」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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