精選版 日本国語大辞典 「ストック」の意味・読み・例文・類語
ストック
ストック
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冬の切花として日本の暖地やハウスで多く栽培されるアブラナ科の一年草。和名をアラセイトウという。原産地は地中海北岸地方で,現地では多年草となるが,一般には一年草として栽培される。一重咲きの若い果実が辛みをもっているので,明治のころに香辛野菜として導入されたが,欧米で改良がすすみ,高性大輪で花色も豊富な観賞用品種が数多く作出された。高性1本立の系統はハウスや温室の栽培に,地際で枝を分ける分枝種は暖地の露地栽培に用いられる。北ヨーロッパでは矮性(わいせい)で開花の早いテン・ウィーク系のものが鉢仕立てとされている。花は株によって一重咲きと八重咲きがあり,八重咲きは花弁が20枚前後で,おしべやめしべがなくて種子がとれない。一重咲きは花弁が4枚で,自家受粉で結実する。観賞用には八重咲きに価値があるので,幼苗時代に一重か八重かを鑑別して植えつける。発芽の勢いがよく発育旺盛なもの,子葉の形の横径が大きいもの,本葉7~8枚のころ葉縁の欠刻が強く波打つものが八重咲きとなることがわかっている。種子は一重咲きからとれる。冬の切花のためには暖地では8月に種子をまくが,ふつうは10月上旬で,越冬中は凍らないように保護をする。一般にストックの花芽は15℃以下に約4週間遭遇することで分化し,その後は温暖な気温で開花が進む。この原理を応用して長野県下では,高冷地で早まきで育苗したものを低温にあわせ,その後ハウスで保温して10月末には切花として市場に出荷している。ストックの品種は年々改良され,新種の作出も多いが,年末に咲く早生種で大輪種,八重咲き率のよい赤,ピンクなどの品種が望まれている。しかし,ストックにあらわれる花色は青紫,紫,白,クリーム,あんず,ピンクなどがあり,かつては銅褐色の花色さえもあった。
執筆者:浅山 英一
地球が太陽を1周する時間の1/12を1単位として時間を測っても,月が地球を1周する時間を1単位として時間を測っても,われわれの今保有する現金の量は変わらない。現金保有量のように,時間を測る単位の変更によってもその大きさが変わらない変数をストックと経済学では呼ぶ。したがってストックとは,会計学,簿記において〈残高〉と呼ぶ概念と同じであり,また物理学での位置に対応する概念である。ストックに属する概念は,マクロ的な変数では国富,貨幣供給量,外貨準備高等が代表的であり,ミクロ的な変数では各企業の負債残高,資本金,棚卸資産,固定資産等の貸借対照表の項目や,家計の保有する貨幣量,預金量が代表的なものである。なお,フローという概念がストックと対になっており,フローは時間の尺度のとり方で値が変わる変数をいう。
→フロー
執筆者:小谷 清
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
「アラセイトウ」のページをご覧ください。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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出典 (株)シクミカ:運営「会計用語キーワード辞典」会計用語キーワード辞典について 情報
…フロー変数として代表的なものは,マクロ変数では国民所得,国民総生産,消費,投資,貯蓄等の国民所得勘定の項目,輸出,輸入,経常収支,資本収支等の国際収支表上の項目,ミクロ変数では売上高,費用,経常利益等の損益計算表上の項目,各個人の賃金,所得水準等である。なおフローという概念はストックstockという概念と対になっている。ストックとは時間を計る単位の変更によって値の変わらない変数をいう。…
※「ストック」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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