ストークス(William Stokes)(読み)すとーくす(英語表記)William Stokes

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ストークス(William Stokes)
すとーくす
William Stokes
(1804―1878)

イギリスの内科医。ダブリン大学欽定(きんてい)教授の医師を父として生まれる。1823年エジンバラ大学を卒業し、ミース病院の内科医となり、1845年父と同じ大学教授となる。『聴診器の使用法』(1825)、『胸部疾患の診断と治療』(1837)、『心臓と大動脈の疾患』(1854)などの名著がある。彼の先輩内科医チェーンJohn Cheyne(1777―1836)と彼の名を冠したチェーン‐ストークス呼吸(1854)は、呼吸の期間と呼吸停止期間が周期的交互に現れる異常呼吸型で、心不全、尿毒症、脳幹障害、麻酔剤中毒などのときにみられる。またアダムスRobert Adams(1791―1875)と彼の名を冠したアダムス‐ストークス症候群(1846)は、洞房や房室伝導障害などで心拍動がおこらず、心室の自動開始に若干の時間を要するので、そのためにおこる脳循環不全による発作的意識障害の状態をいう。彼は、医師としてはまれな、プロシアの勲章Pour le Mériteを受けている。

古川 明]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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