セゴビア(Andrés Segovia)(読み)せごびあ(英語表記)Andrés Segovia

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

セゴビア(Andrés Segovia)
せごびあ
Andrés Segovia
(1893―1987)

スペインのギター奏者。クラシック・ギター中興の祖であり、20世紀最高のギタリストといわれる。スペイン南東部のリナレスに生まれる。独学で演奏技法を習得し、1912年からスペイン各地に演奏旅行、19年南アメリカへ演奏旅行、24年にパリでデビューした。以来世界各地で演奏会を開き、29年(昭和4)に初来日している。スペイン内戦と第二次世界大戦で南米、ついでアメリカに移ったが、戦後はふたたび活動の本拠をヨーロッパに戻した。ギター音楽を充実させるため、現代作曲家に新作を委嘱する一方、自ら名作のギター編曲に積極的に取り組んだ功績はきわめて大きい。「セゴビア・トーン」とよばれる甘美な音色と奔放といってよいほどのテンポ・ルバートを駆使し、表情豊かなロマンチックな演奏で一世を風靡(ふうび)した。マドリードに没。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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