セネカ・フォールズ（読み）せねかふぉーるず（英語表記）Seneca Falls

日本大百科全書(ニッポニカ)

セネカ・フォールズ
せねかふぉーるず
Seneca Falls

アメリカ合衆国、ニューヨーク州北西部の小さな町。シラキュースとロチェスターの中間にあり、フィンガー・レークスの一つカユーガ湖北端に位置する。人口6861（2000）。1780年代に集落ができ、1830年代ごろから町を流れるセネカ川と滝（フォール）の水を利用した繊維、機械などの製造業を中心に発展した。1848年7月19、20日、この町の中地のウェズリアン教会において、エリザベス・C・スタントンやルクレシア・モットらの提唱により、アメリカで最初の女性の権利に関する大集会が開かれ、独立宣言を模した「所感の宣言」および女性参政権要求を含む11の決議案が採択された。この大会ゆかりの地は、のちに展開する女性運動の端緒を開いた所として脚光を浴び、1980年国立歴史公園に指定された。スタントンの家が復原されたのをはじめ、アメリカに貢献した著名な女性たちの「殿堂」National Women's Hall of Fameが設立され、記念行事をはじめ多彩な活動が行われている。

［太田和子］

『アメリカ学会訳・編『原典アメリカ史　第3巻』（1953・岩波書店）』▽『本間長世編『新大陸の女性たち』（1976・評論社）』

[参照項目] | スタントン | モット

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)