セブン‐イレブン・ジャパン(株)(読み)せぶんいれぶんじゃぱん

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

セブン‐イレブン・ジャパン(株)
せぶんいれぶんじゃぱん

日本最大の店舗網を有するコンビニエンス・ストア。1973年(昭和48)にイトーヨーカ堂が世界最大のコンビニエンス・ストア・チェーンセブン‐イレブン」を展開するアメリカのサウスランド社と日本でのエリアライセンス契約を結び、ヨークセブンを設立して、フランチャイズ方式によるコンビニエンス・ストアのチェーン化事業を開始した。翌1974年に東京都江東(こうとう)区豊洲(とよす)に1号店がオープン。従来の業界の常識を変え、「小分け納品」「年中無休」「定時配送」を実現するために、ベンダー(卸商)の集約化や効率的共同配送の物流システムの構築に努力して、事業を軌道に乗せた。1978年に社名をセブン‐イレブン・ジャパン改称、1979年に会社設立後6年という短期間で東証第二部に株式上場(1981年に東証第一部に指定替え)した。1980年代にはPOS(ポス)システムの導入により、店舗から「死に筋」商品を排除する単品管理を確立し、1987年に店舗数が3000店を超えた。1989年(平成1)には経営が苦境に陥ったサウスランド社からハワイ事業部58店舗を買い受け、海外店舗をもつことになった。1990年代にはISDN回線を使用した店舗総合情報システムの導入により、物を販売するだけでなく、収納代行など新サービスにも進出した。1999年末には店頭でインターネット通信販売の商品の受け渡しや決済を開始している。2003年(平成15)8月、国内の総店舗数が1万店を超えた。2005年9月持株会社セブン&アイ・ホールディングスの設立により、その子会社となる(持株会社の上場に伴い、同年5月に東証第一部上場廃止)。資本金172億円(2022)、営業総収入約8630億円(2022)。

[中村青志]

『セブン‐イレブン・ジャパン編・刊『セブン‐イレブン・ジャパン――終わりなきイノベーション 1973~1991』『セブン‐イレブン・ジャパン――終わりなきイノベーション 1991~2003』(1991、2003)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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