セル(織物)(読み)せる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「セル(織物)」の意味・わかりやすい解説

セル(織物)
せる

セルは、もとサージsergeから転訛(てんか)したもので、セルジスともいい、経緯(たてよこ)ともに梳毛(そもう)糸を使って平織、あるいは斜文に織った広幅織物である。無地染めのほか、杢(もく)糸を使ったり、縞(しま)や絣(かすり)、あるいは捺染(なっせん)したりしたものもある。明治時代からモスリンとともに和服用として一般に使われてきたもので、セルを使い和服に仕立てることをセル仕立てともいった。第二次世界大戦前までは初夏の単衣(ひとえ)として着られた。俳諧(はいかい)では夏の季語

[角山幸洋]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android