セル(George Szell)(読み)せる(英語表記)George Szell

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

セル(George Szell)
せる
George Szell
(1897―1970)

ハンガリー出身のアメリカの指揮者。ブダペストに生まれ、幼時からウィーンで育ち、ピアノと指揮に才能を発揮した。1917年クレンペラーの後任としてストラスブール市立歌劇場指揮者に就任、以後ベルリン、プラハグラスゴーハーグなどで歌劇場やオーケストラの指揮者を務めた。39年アメリカ滞在中に第二次世界大戦が始まったため、とどまってメトロポリタン歌劇場本拠に活躍、この間アメリカに帰化し、46~70年クリーブランド管弦楽団の音楽監督となり、この楽団を世界最高の水準に引き上げた。70年(昭和45)5月同楽団と来日したが、その2か月後に死去。オーケストラの厳格な訓練と統御で知られ、手塩にかけたオーケストラを自在に使いこなして、健康的で豊麗な音楽を生み出してみせた。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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