セーケシュフェヘールバール(英語表記)Székesfehérvár

デジタル大辞泉 の解説

セーケシュフェヘールバール(Székesfehérvár)

ハンガリー中西部の都市。首都ブダペスト南西約70キロメートルに位置する。伝統的な皮革・木工業が盛んだったが、第二次大戦後、工業化が進んだ。11世紀から16世紀までハンガリー王国の王宮が置かれた。歴代の王の戴冠埋葬が行われた大聖堂があったが、オスマン帝国攻撃で破壊され、現在は遺跡公園になっている。バロック様式の聖イシュトバーン大聖堂中世風の外観ボリ城考古物を展示するイシュトバーン博物館がある。

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改訂新版 世界大百科事典 の解説

セーケシュフェヘールバール
Székesfehérvár

ハンガリー中西部の都市で,ブダペストからバラトン湖に至る中間にある。フェイェール県の県都。文化都市で交通の要地。人口10万1382(2005)。ハンガリー最古の都市の一つで,ローマ時代のヘルクリアHerculia。中世にはアルバ・レギアAlba Regiaと呼ばれる。10世紀ハンガリー人の定着後,王領地となり,イシュトバーン1世の造った教会において,1038年から1527年まで,代々国王は戴冠をし,埋葬された。1543年から1688年までほぼ完全にオスマン・トルコ支配下にあり,その間に中世の建物は大部分破壊された。都市の再建は18世紀のバロック期に行われた。以後20世紀中ごろまでは農業中心地として発展。第1~2次大戦の戦間期には反革命勢力の拠点ともなる。第2次大戦後,テレビ・ラジオ工場や機械・アルミ工場が発展。現在8本の鉄道路線の交点である。
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日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

セーケシュフェヘールバール
せーけしゅふぇへーるばーる
Székesfehérvár

ハンガリー中西部、フェイエール県の県都。首都ブダペスト南西方約70キロメートルにある。人口10万6346(2001)。第二次世界大戦で壊滅的な被害を受けたが、戦後、食品、皮革、木工などの伝統的な工業に加えて、アルミニウム軽金属工業、ラジオ・テレビなどの電子機器工業が発展した。古い歴史を有する都市で、市内外には現在公園となっているハンガリー王家の墓地や博物館、ローマ遺跡など、考古・歴史的記念物が多い。

[古藤田一雄]

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