ゼルキン(Rudolf Serkin)(読み)ぜるきん(英語表記)Rudolf Serkin

日本大百科全書(ニッポニカ) の解説

ゼルキン(Rudolf Serkin)
ぜるきん
Rudolf Serkin
(1903―1991)

オーストリア出身のアメリカのピアノ奏者。ボヘミアのエーゲル(現チェコのヘプ)生まれ。ウィーンでピアノと作曲を学ぶ。作曲の師の1人はシェーンベルクだった。天才少年の評判が高かったが、地道に勉学続行。1920年、名バイオリン奏者アドルフ・ブッシュに認められて彼と二重奏を組み、存在を知られるようになった。36年トスカニーニの指揮で独奏者としてアメリカ・デビュー、大成功を収める。ナチスの進出のため39年アメリカに移住。演奏活動のほか、フィラデルフィアのカーティス音楽学校で後進を指導するとともに、マールボロ音楽祭を主宰した。60年(昭和35)初来日。モーツァルトベートーベンシューベルトブラームスといったウィーンの音楽を得意としたが、堅固な構成のなかに情熱を高揚させ、快い緊張感を生み出してみせた。次男ピーターもピアノ奏者。

[岩井宏之]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

靡き

1 なびくこと。なびくぐあい。2 指物さしものの一。さおの先端を細く作って風にしなうようにしたもの。...

靡きの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android