タイブレーク(読み)たいぶれーく(英語表記)tie break

デジタル大辞泉 「タイブレーク」の意味・読み・例文・類語

タイ‐ブレーク(tie break)

テニスで、ゲームカウントが一般的に6対6になったときに、決着を早くつけるために行うゲーム方法。2ポイント以上の差をつけて7ポイントを先取したほうをそのセット勝者とするもの。
野球ソフトボールで、延長戦になった際に、決着を早くつけるために行うゲーム方法。最初から走者を塁に置いて、点の入りやすい状況から試合を再開する。ソフトボールではタイブレーカーという。
[補説]野球のワールドベースボールクラシックでは第2回大会から適用。延長11回以降は無死1・2塁からプレーを開始する。都市対抗野球では、延長12回以降は1死満塁からプレーを開始する。

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精選版 日本国語大辞典 「タイブレーク」の意味・読み・例文・類語

タイ‐ブレーク

〘名〙 (tie break) テニスの試合で、ジュース反復を防ぐために、ゲームカウント六対六の時、二ポイント以上の差をつけて七ポイント先取した方をそのセットの勝ちとすること。ポイント六対六のあとは二ポイント差がついたところで終了

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「タイブレーク」の意味・わかりやすい解説

タイブレーク
たいぶれーく
tie break

時間制限のないスポーツ競技において、決着を早めるために採用される試合方式。タイブレークは均衡を破るという意味である。野球、ソフトボール、テニス、バレーボールセパタクロー、カーリングなどの試合で、規定の延長戦などを経ても勝敗が決まらない場合に採用される。タイブレーカーtiebreakerともいう。競技ごとに規定があり、一部の国際競技団体などでは国際大会の運営組織が独自に規定を設けている場合もある。

 たとえば、テニスでは各セットでゲームカウントが6対6になったときにタイブレークのルールが適用される。ポイントは1ポイントずつ増え、相手選手に2ポイントの差をつけて7ポイントを先取したほうをそのセットの勝者とする。ただし、ポイントが6対6になった場合は、2ポイントの差がつくまでプレーは続けられる。なお、2022年3月、四大大会の主催者は四大大会で統一的に最終セットのタイブレークについて、2ポイント差以上をつけて10ポイント先取した選手・チームが勝者となる方式を試験的に導入すると発表した。

 野球では、たとえば2021年(令和3)に行われたオリンピック東京大会(2020)の場合、9回を終えて同点のとき、延長10回からは無死走者1・2塁(打順は前イニング終了後からの継続打順で、先頭打者の前の打順の者が1塁走者、1塁走者の前の打順の者が2塁走者)の状況から試合を開始、両チームの延長10回の攻撃が終わっても勝敗が決まらなければ決着がつくまでタイブレークを継続するという方式が採用された。国際大会は、オリンピックでは2008年の北京(ペキン)大会から、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)では2009年の第2回大会から採用されている。日本の大会は、社会人野球では2003年(平成15)の大会(都市対抗野球大会など)から、大学野球では2011年の大会(全日本大学野球選手権大会など)から、高校野球では2018年の大会(選抜高等学校野球大会、全国高等学校野球選手権大会など)から採用された。タイブレークを適用するイニング、打順や走者についてのルールは、大会ごとに決められている。

[編集部 2023年5月18日]

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知恵蔵 「タイブレーク」の解説

タイブレーク

時間制限のない競技で早期決着をつけるルール。テニスが1970年から採用したもので、2008年の北京オリンピック直前に野球での採用が決まって論議を呼んだ。延長10回終了時に同点の場合、11回からは無死1、2塁の設定で新たな先頭打者の変更を認めて攻撃に入るもの。日本は予選リーグの米国戦で経験し負けている。なお、ソフトボールは7回終了で同点の場合に無死2塁から、社会人野球は延長12回で4時間を越えた場合、一死満塁から攻撃するルールを以前から採用している。

(武田薫 スポーツライター / 2008年)

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世界大百科事典(旧版)内のタイブレークの言及

【テニス】より

…3セット試合の場合は2セット先取したものが,5セット試合の場合は3セット先取したものが勝者となる。
[タイブレーク]
 試合が極度に長引くのを防ぐために考えられた方式で,5ゲームオールあるいは6ゲームオールとなった際,次のゲームを7ポイント先取(6ポイント対となったときは以後2ポイント連取),あるいは5ポイント先取した方がそのセットを取る方式である。〈ノーアドバンテージ〉も試合進行を早めるためのもので,デュースとなったとき次の1ポイントでゲームの勝敗を決めるものである。…

※「タイブレーク」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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