タクナ=アリカ紛争(読み)タクナ=アリカふんそう(英語表記)Tacna-Arica Dispute

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「タクナ=アリカ紛争」の意味・わかりやすい解説

タクナ=アリカ紛争
タクナ=アリカふんそう
Tacna-Arica Dispute

タクナとアリカ両州の帰属をめぐるペルー,チリ間の紛争。スペイン植民地時代よりこの地域の帰属は必ずしも明確ではなかったが,太平洋戦争終結後の 1883年に締結されたアンコン条約が新たな紛争の種をまいた。同条約は両州のチリ帰属を一時的に認め,10年後に住民投票によりその最終帰属を決めると規定していたが,投票方式が明記されていなかったため,93年以降その方式をめぐって係争が生じた。両国はアメリカの仲裁に基づく住民投票を再三企画したが実現せず,1929年タクナ州をペルー領,アリカ州をチリ領とすることでようやく和解した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android